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英国EU離脱「Brexit」を考える

2016.07.05
6月23日の国民投票は「離脱」という結果となった。

英国人だけの問題でなく、世界中にその余波が起こりうるとして個人的に注目していたので、開票のあった24日の早朝から速報をBBCでチェックしていた。

不動産投資業に携わるものとして、国内はピークを迎えつつあるなか、金融機関の融資姿勢の変更は業界の景気に直結する。

その引き金にならないかという不安があった。

事前の票読みでは拮抗していたとはいえ、先進国の一員である英国民は最終的には良識に基づいた判断を下すと私だけでなく世界中でそう見ていたし、直前の予想でも残留派が優勢とあっただけに、離脱が確定した時のショックは大きかった。

ただ、世界経済にあたえるショックや先行き不安以上に衝撃を受けたのは、批判を恐れずにあえて言うとするならば「英国人の愚かさ」だった。

もちろん、半数の人々は常識的な判断をしたのだが、一時の感情論に流され、自身の選択肢の意味や影響を理解せずに投票した人があまりに多すぎないか。

離脱に投票した人達も後悔し始めているという。先導したジョンソン氏が次期首相選に出ないらしい。あまりに無責任ではないだろうか。

また、一か八か国民投票の賭けに出たキャメロン首相の政治的手腕の無さも指摘しないといけないだろう。

興味深い記事があった。離脱後に最も多かったネット検索は、
  • What does it mean to leave the EU?  「EU離脱の意味は?」である。
  • What is the EU?  次が「EUって何?」である。
冗談のようだが冗談ではないらしい。

ちなみに3番目は

  • Which countries are in the EU? 「EUにはどんな国が入っているの?」という。
結果、75%の投票率の52%の賛成票とすれば、有権者の39%程度の賛意によって、国益、しいてはEUを揺るがす決定がなされたのである。

今後再投票も含め様々な議論がなされるだろうが、すくなくともこれ以上英国の地位を下げないよう見識ある議論が進むことを願いたい。

ただ今後、スコットランドは独立するだろう。

それによる英国の地位低下は不可避だろう。

そして、その先にはもしかするとEUの解体があるかもしれない。

  一方、これからまた世界に影響を与える事案がある。アメリカ大統領選挙だ。

イギリス人がStupidなら、アメリカ人はCrazyか。すでにトランプ氏が共和党候補に正式指名されている。そうは言っても自浄作用があるだろうというのは、甘い考えだとEU離脱で証明された。

本選で、イギリス離脱が、アメリカ人にとって良薬になると良いが、それは期待薄かもしれない。(ただ、クリントンもさほど変わらないかもしれないが。。) その時は迷いなく、ドルショートである。