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WeWorkショック

2019.10.24

ここ数年、コワーキングオフィス業界を席巻してきたアメリカのユニコーン企業であるWeWork社。

ついに息切れの様相を呈している。企業価値470億ドル(約5兆円)の企業価値も持つと言われていたが、

相次ぐスキャンダルの発覚によりIPOは頓挫企業価値は200億ドル以下にまで減少した。

 

そこで、経営陣の刷新を条件に、救済の手を上げたのがソフトバンク孫氏。

総額1兆3000億円の支援策をまとめたという。

 

そもそもサブリース会社に何兆円のもの価値がつくのだろうか?

 

まず、整理したいことはWeWorkがITやAIなどの業種とは異なり不動産会社、

いわゆるサブリース会社であること。つまりネットによるシャアの拡散や、高い技術力によって

事業が拡大するというより、コストを負担することによる物理的な拡大によって

事業規模が拡大するということである。その意味でサブリース会社が持つアップサイドは何なのか、

孫さんにはどのような勝算があるのか聞いてみたい。

 

次に、WeWork社のここ数年の事業収支だが、「この会社価値あるのか?」

というのが、当方の見立てである。

2017年は約1,000億円の赤字、2018年は1,800億円、さらに2019年上期で1500億円の赤字である。

もう少し、詳細に見ると賃料収入と賃料支出(現場の人件費含む)の差である粗利は、約10%程度。

そこから賃料収入とほぼ同額の莫大なバックオフィスコストが発生している。

規模が大きくなれば、このバックオフィスコストの比率が下がり、粗利の10%以下になった時点で

初めて黒字になるが、数字を見る限り、バックオフィスコストは下がるどころか年々増加している。

 

ようやく目が覚めた一部投資家により、軌道修正されたようだが、

WeWorkとSBGの今後の動向に注目したい。